about Safety自動回転ドア「セーフティ ファースト」
はじめに
“人が出入しているときも風を通さないドア”という類稀な特性を持つ回転ドアは、欧米で生まれ育って100年を越える歴史があり、世界各地で沢山利用され続けています。
冬の厳寒時や夏の酷暑のときにも屋内に外気を流入させることなく出入でき、屋内環境を快適に保つ回転ドアの基本特性を損なうことなく、通行性を大幅に高めた大型自動回転ドアは、オフィスビル、ホテル、病院などの玄関に相応しいドアとの評価も頂いております。
このような優れた機能を有する大型自動回転ドアを安全にご利用いただくため、「セーフティ・ファースト」と題して、大型自動回転ドアの設置意義、補助機能及び補助センサーの役割ならびに安全性についてのJIS規格、通行者の皆様へのお願い、メンテナンスの重要性等を、図を交えて解りやすくご紹介しております。 今後納入される大型自動回転ドアは、JIS規格に準じて製造され、且つここでご紹介する補助機能及び補助センサーを、当協議会の各メーカーが共通の思想をもって装備いたします。
この「セーフティ・ファースト」が、大型自動回転ドアを利用される皆様の一層のご理解とお役に立ちますことを切に希望いたします。
全国自動ドア協会
自動回転ドア協議会
セーフティ・ファースト大型自動回転ドアが生まれ変わりました
回転ドアは、冬の厳しい寒さの中でも屋内の快適さを損なわない特別な性能を持つドアとして考案されました。それから100年以上経った今では、屋外の寒さ暑さを遮って建物内部を快適に保つ効果のほか、ビル内部の上昇気流(屋内の風)発生を抑える効果や省エネルギー効果が評価されるようになり、世界各地の建物でたくさん利用されています。
ここでは、回転ドアを知っていただくために、近年一層進化した大型自動回転ドアの安全性に関する事柄を中心として、ご利用に際しての注意や回転ドアの特長などをご紹介いたします。
1大型自動回転ドアは快適な環境づくりに役立っています。
病院の待合室やビルのエントランスホール利用者から、ドアが開くたびに寒い風が入ると苦情がでる。冬のあいだ階段のドアやエレベータのドアの隙間からぴゅーぴゅーと鳴る風の音がうるさい。ビルの階段に通じるドアが重くて開けにくかったり開きっぱなしになる。
このような建物内の不快な現象は、玄関ドアが開いて外の風が建物内に大量に入ることが主な原因です。回転ドアには「人が出入しても風は通さない」という他のドアにない大きな特長があるため屋内環境を快適に保つことができます。同時に冷暖房の損失を減らして省エネルギーに貢献するなど、利用者の皆様が気づかないところでお役に立っています。
2通行者の皆様のご協力をお願いします。
一般のドアも同じですが、無理な通り方をしたり不適切な使い方をすると、ドアに衝突したり、挟まれたりして思わぬ怪我をすることがあります。回転ドアを安全にご利用いただくために次のことについてご理解とご協力をお願いします。
- 閉まりかけている回転ドアに無理に駆け込まないで下さい。
- 回転ドアの中や近くでお子様を遊ばせないで下さい。
- 回転ドアを通るとき、保護者の方はお子様の手を引いてあげて下さい
3こんな機能も備わっています。
- お年寄りやお身体の不自由な方が通るときは、回転ドアの低速回転ボタンを押してあげて下さい。ドアの回転がゆっくりになって、歩みの遅い方の安心感が高まります。
- 通行中の人にドアが接近しすぎた場合などは、安全のためドアは減速または一時停止します。そのまま前にお進みいただけば、ドアは自動的に回転を始めます。
- 万一ドアに挟まれたら「非常停止ボタン」を押して下さい。ドアはすぐに停止して動力が切れ、ドアを手で回すことができます。「非常停止ボタン」は入口方立または防護柵の前面にあります
4 自動回転ドアのJIS規格が統合されました。
自動回転ドアについては、日本工業規格「JIS A 4721 (自動回転ドア-安全性)」が制定されていましたが、「JIS A 4722 (歩行者用自動ドアセット-安全性)」制定に伴い、2017年9月20日に「JIS A 4722」に統合・廃止されました。
5定期的なメンテナンスが大切です。
回転ドアは通行者に合わせて回り続け、1 年に数万回から数十万回も回転します。また玄関先で風雨やホコリにさらされる過酷な環境に置かれていますので、正常な機能と安全性を保ち、故障を予防するためには、メーカーの技術者や技術研修を受けた専門的な技術者による定期的なメンテナンスが大切です。
メンテナンスについては回転ドアのメーカーまたは施工・販売会社にお問合せ下さい。
2枚羽根タイプ大型自動回転ドア(安全装置の例)
●2枚タイプの大型自動回転ドアに設置される主な補助機能及び補助センサー*
1 | ラバーバンパー (緩衝材) |
回転ドアと床の間に足等がはいりにくくします。 | ||
---|---|---|---|---|
2 | いずれか選択 | A | ハザードエリア監視センサー | 円周軌道の外部側を監視し、センサーが反応すると減速します。駆込みをいち早くキャッチします。 |
B | 駆込み防護柵 | 危険領域への駆込み防止の為、防護柵を設置する事により、ハザードエリア監視センサーの代替とする事も出来ます(東京都安全条例適用時は必須)。 | ||
3 | 挟まれ・巻き込み防止用センサー (接触タイプ) |
センサー(ラバータイプ)に触れるとドアは速やかに停止します。 | ||
4 | 挟まれ・巻き込み防止用センサー (非接触タイプ) |
センサーが反応するとドアは速やかに停止します | ||
5 | 追突防止用センサー (投受光タイプ) |
ビームラインを妨げるとセンサーが反応し、ドアは速やかに停止又は減速します。 | ||
6 | 追突防止用センサー (接触タイプ) |
センサー(ラバータイプ)に触れるとセンサーが反応し、ドアは速やかに停止します。 | ||
7 | 追突防止用センサー (非接触タイプ) |
センサエリアに人が入るとセンサーが反応し、ドアは速やかに停止します。 | ||
8 | 非常停止ボタン | ボタンを押すと回転を停止します。停止後動力が切断され、ドアは手で回転させる事ができます。 | ||
9 | 低速回転ボタン | ボタンを押すと約3 分の2 回転する間減速します。ボタンを押し続けると押している間減速回転します。 |
- 東京都安全条例により入口部に防護柵が義務付けられています。
仕様は技術革新等により予告無く変わる事があります。
センサーの検知エリアはイメージを表しています。
*各メーカにより仕様は異なりますので、ご注意下さい。
4枚(3枚)羽根タイプ大型自動回転ドア(安全装置の例)
●4枚(3枚)タイプの大型自動回転ドアに設置される主な補助機能及び補助センサー*
折り畳み機能: | ドアと方立(フィックス)の間に挟まれるとドアのスイングロック装置が外れる事により衝撃を吸収します。 ドアが折りたたまれると動力が切断され停止します。ドアは手で回転させる事ができます。 |
1 | ラバーバンパー (緩衝材) |
回転ドアと床の間に足等がはいりにくくします。 | ||
---|---|---|---|---|
2 | いずれか選択 | A | ハザードエリア監視センサー | 円周軌道の外部側を監視し、センサーが反応すると減速します。駆込みをいち早くキャッチします。 |
B | 駆込み防護柵 | 危険領域への駆込み防止の為、防護柵を設置する事により、ハザードエリア監視センサーの代替とする事も出来ます(東京都安全条例適用時は必須)。 | ||
3 | 挟まれ・巻き込み防止用センサー (接触タイプ) |
センサー(ラバータイプ)に触れるとドアは速やかに停止します。 | ||
4 | 挟まれ・巻き込み防止用センサー (非接触タイプ) |
センサーが反応するとドアは速やかに停止します | ||
5 | 追突防止用センサー (投受光タイプ) |
ビームラインを妨げるとセンサーが反応し、ドアは速やかに停止又は減速します。 | ||
6 | 追突防止用センサー (接触タイプ) |
センサー(ラバータイプ)に触れるとセンサーが反応し、ドアは速やかに停止します。 | ||
7 | 追突防止用センサー (非接触タイプ) |
センサエリアに人が入るとセンサーが反応し、ドアは速やかに停止します。 | ||
8 | 非常停止ボタン | ボタンを押すと回転を停止します。停止後動力が切断され、ドアは手で回転させる事ができます。 | ||
9 | 低速回転ボタン | ボタンを押すと約3 分の2 回転する間減速します。ボタンを押し続けると押している間減速回転します。 |
- 東京都安全条例により入口部に防護柵が義務付けられています。
仕様は技術革新等により予告無く変わる事があります。
センサーの検知エリアはイメージを表しています。
*各メーカにより仕様は異なりますので、ご注意下さい。