TopicsJADA News Letter
全国自動ドア協会の現況 (2023年度上半期を終えて)
2023年11月29日
1自動ドアの需要動向
2023年度上半期の自動ドア生産台数の実績と通期見込み台数
- 国内向台数 上半期実績 65千台(前年度比 97.0%)、通期 146千台/年 見込み
- 海外向台数 上半期実績 3千台(前年度比 75.4%)、通期 8千台/年 見込み
- 総生産台数 上半期実績 68千台(前年度比 95.6%)、通期 154千台/年 見込み
2023年度生産台数見通しを中心とした業界情勢
2023年度年間生産台数見通しは、国内向け146千台(前年度比110.6%)、海外向け8千台(前年度比88.9%)、総生産台数154千台(前年度比109.2%)といたしました。国内市場向けは、半導体不足による電装部品の供給不安は概ね解消し、首都圏での大型再開発案件の竣工が増え、1現場あたりの多台数化が多く見られます。また、メーカーの製造国内回帰により、工場案件が増え、衛生面・セキュリティー強化等による手動から自動ドア化の需要も引き続き堅調です。一方、海外市場では回復の予兆がみえず、2017年以降減少が続いています。
(表-1) 2007年度から2020年度までの生産台数推移 (単位:千台/年)
年度 | 総生産 | 前年比% | 国内向け | 前年比% | 輸出 | 前年比% | |
2009(H21) | 128 | 92.1% | 107 | 87.7% | 21 | 123.5% | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2010(H22) | 132 | 103.1% | 113 | 105.6% | 19 | 90.5% | |
2011(H23) | 137 | 103.8% | 120 | 106.2% | 17 | 89.5% | |
2012(H24) | 139 | 101.5% | 121 | 100.8% | 18 | 105.9% | |
2013(H25) | 144 | 103.6% | 127 | 105.0% | 17 | 94.4% | |
2014(H26) | 143 | 99.3% | 127 | 100.0% | 16 | 94.1% | |
2015(H27) | 145 | 101.4% | 127 | 100.0% | 18 | 112.5% | |
2016(H28) | 148 | 102.1% | 129 | 101.6% | 19 | 105.6% | |
2017(H29) | 154 | 104.1% | 134 | 103.9% | 20 | 105.3% | |
2018(H30) | 149 | 96.8% | 134 | 100.0% | 15 | 75.0% | |
2019(R01) | 149 | 100.0% | 137 | 102.2% | 12 | 80.0% | |
2020(R02) | 140 | 94.0% | 129 | 94.2% | 11 | 91.7% | |
2021(R03) | 143 | 102.1% | 132 | 102.3 % | 11 | 100.0% | |
2022(R04) | 141 | 98.6% | 132 | 100.0 % | 9 | 81.8% | |
2023(R05) | 5月予測 | 153 | 108.5% | 141 | 106.8 % | 12 | 133.3% |
10月見込 | 154 | 109.2% | 146 | 110.6 % | 8 | 88.9% |
予測: 年度初めの予測値
見込: 半期経過後の見直し値
2自動ドア施工技能士の現状
厚生労働省認定国家資格「自動ドア施工技能士」の2022年度技能検定では、244名が受検し168名が合格という結果になり、自動ドア施工技能士の全国累計数は 1級 3,985名、 2級4,007名、合計 7,992名となりました。本年度の検定に臨む受検者の総数は259名となり、検定の結果は来年の春に発表されます。
(表-2) 自動ドア施工技能検定受験者数と合格者数
年度 | 1級技能士 | 2級技能士 | 合計 |
2022年度受検 申請者 | 139人 | 108人 | 247人 |
---|---|---|---|
2022年度受検 合格者 | 95人 | 73人 | 168人 |
2023年度受検 申請者 | 134人 | 125人 | 259人注 |
自動ドアの設置現場でその品質と性能をしっかりと仕上げることのできる技能者は、その技能を駆使して、自動ドアの安全性向上、快適性能の維持に貢献、施主・建物管理者の皆様の満足度を高め、自動ドアを利用する通行者の皆様の信頼を頂くうえで大変重要な役割を担っています。
3技術基準等の改定活動
JIS A 4722「歩行者用自動ドアセット-安全性」の改正内容を反映させて、「自動ドアの知識」の改定作業を進めています。また、自動ドアの性能規程制定に向けて、性能項目の検討を行っています。
4自動ドアの安全に関する取り組み
JIS A 4722「歩行者用自動ドアセット-安全性」の改正にともない、バリアフリートイレ用の安全ガイドブックを6 月に作成完了し、頒布を開始しました。また、現行の運用マニュアル(安全編)を見直し、会員向けに自動ドア供給者としての実務作業上の安全性向上・維持に役立つことを目的として、新たに安全対策運用マニュアル歩行者用自動ドアセットの作成作業をすすめています。
5自動回転ドアの現況
2022年10月から2023年9月末までの1年間に設置された回転ドアの数量調査を実施しましたが、大型4台(改修1台、更新3台)、小型2台(新規)でした。
また、2004年以降調査を継続してきました「大型自動回転ドアの運行状況調査」を実施し、その結果として、調査対象の469台中、使用中は139台(35台減)、回転休止〔スライド式自動ドアとして使用〕は21台(3台増)、使用停止は39台(8台増)、撤去済みは270台(24台増)となり、この2年間で更に多くの回転ドアが使用停止、撤去されました。
6その他
実務知識研修会開催
9月28日に全国から約110名を超える多くの方に参加していただき、アジュール竹芝にて「実務知識研修会」を開催しました。全国自動ドア協会会員各社の経営者、営業、技術、保守、サービスなどの各職種の方々が参加され、以下のテーマについて学びました。
第1部 「 JIS A 4722 歩行者用自動ドアセット-安全性」の改正について
講師 : 技術基準委員会アドバイザー(ナブテスコ株式会社) 角山 浩司 氏
第2部 「笑いはこころの栄養剤」について
講師 : 落語家 三遊亭 歌扇 氏
第1部、第2部ともに、我々にとって関心の高い話題について、各講師の方々より講演をお聞きすることができました。