Topics多機能トイレ用自動ドアの安全ガイドブック

4建築設計者・発注者へのお願い

トイレ利用者の安全性を高めるためには、建物の計画段階で建築設計者や発注者の方々に、自動ドアの設置場所や通行状況に応じて適切な仕様を検討・決定していただく必要がありますので、ご理解とご協力をお願いいたします。

自動ドア周辺での計画
周囲のスペースの確保 自動ドアの周囲には、トイレ利用者が容易かつ安全にドア操作スイッチを操作できる空間を確保するとともに、トイレ利用者が安全にドアを通過できる有効開口幅を設け、ドアの内外には車いすで移動するために必要な空間を確保する。
ドア操作スイッチの位置 ドア操作スイッチの設置位置は、トイレ利用者が操作しやすく、なおかつ、それを操作するトイレ利用者の体や車いすがドアに触れない位置とする。特に便房内部のドア操作スイッチはドアから700mm以上離した位置に設置し、またその高さは1000mm程度とすることが望ましい。
視認性の確保 自動ドアの存在や注意・警告表示などが十分認識できるように、ドアおよびその周辺は、トイレ利用者の移動に支障のない明るさと視認性を確保する。
すべり、つまずき対策 自動ドア周囲の床は水平とし、トイレ利用者がすべらないよう床仕上げや雨水対策などを考慮すると共に、つまずきを生じないように床の段差や障害物を排除する。
有効開口幅 車いすが通る開口部は900mm以上の有効開口幅を確保する。
戸袋側への配慮 戸袋側にいる人にドアが接触することを防ぐ為、戸袋カバーや防護柵などを設けることが望ましい。
指挟み防止の配慮 ドア開放時に指や手を挟むことを防ぐ為、全開したドアの框や把手と方立との間および戸尻とたて枠との間に隙間を残す。
呼出しボタンの設置 トイレ利用者が非常時にトイレ外部へ通報できる手段として、トイレ内部には呼出しボタンを設置する。また、設置位置はトイレ利用者が便器に腰掛けた状態でも床に転倒した状態でも操作可能な位置に設置することが望ましい。
自動ドア建具での計画
衝突時のリスク低減 ドアは極力軽量化を図り、屋外に自動ドアを設置する場合は、ドアの面積を2.5m以下とすることが望ましい。ドアの戸先および戸尻には緩衝材などを取り付けることが望ましい。
ドアや枠の部分からは鋭利な金属の角を排除することが望ましい。
引き込まれ防止 ドアの開扉作動中に手や指の引き込まれを防止する為、ドア面は小窓やガラリなどの引っかかりがない形状とすることが望ましい。
安全ガラスの採用 ドアおよびドア周辺部にガラスを使用する場合は、ガラス破損時にトイレ利用者の損傷の危険性を低減する強化ガラスまたは合わせガラスを採用することが望ましい。
それらのガラスを採用できない場合は、飛散防止フィルムを貼るなどの処置をすることが望ましい。

■ 多機能トイレ用自動ドアの安全ガイドブック

多機能トイレ用自動ドアの安全ガイドブック [PDF版ダウンロード1.6MB]

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